同一労働同一賃金に向けて行っておくべきこと

先日池上彰の番組で、同一労働同一◯◯、さあ◯◯は何が入るでしょうか、みたいなクイズをしていました。私は仕事柄、絶対正解できますが、まだ世の中的にはこのワードが浸透しているとは言い難いのですね。 タイトルの通り、もちろん、答えは賃金です。 安倍内閣が推進する働き方改革において、同一労働同一賃金の実現は重要な政策課題として位置付けられています。近い将来、私たちの働き方に影響してくるのは間違いありません。 では、今の日本で同一労働であっても社員とパートで賃金が違って良いか、というと実はそんなことはありません。労働契約法という法律の第20条で、有期労働契約をしている従業員の労働条件は、無期労働の社員との間に不合理が認められるものであってはならないとされています。つまり、日本は既に同一労働同一賃金なのです。 ? なんか混乱してきましたね。実感として「同じことをしていても、パートと社員では明らかに待遇が違う」と感じている方は多いはずです。 ポイントは、「労働」が何を指しているかということです。この労働とは人が動いている部分だけではなく、その人の条件や職責なども含んでいるのです。 ちょっと例を挙げます。正社員のAさんとパート社員のBさん。Aさんは地方への転勤や出向の可能性があり、トラブルに対しての責任もあります。Bさんは契約上転勤も出向もなく、自分の仕事の範囲外における責任はありません。この場合、同一労働とは言えないので、仮に現場で同じ仕事をしていてもAさんの給与が高いということには合理性があると判断されます。 先日、厚労省から発表された同一労働同一賃金のガイドラインでも、上記のような格差は認められる方向にあるようです。 現在の労働契約法では曖昧な部分をもっときちんと法整備して不合理を無くそうよ、というのが働き方改革における同一労働同一賃金である、と私は解釈しています。上記の例では差異は明白ですが、実態としてやっていることも責任もほとんど違いが無いのに、正規社員と非正規社員で給与等の条件が明らかに違う会社もあります。日本の場合は有期社員の賃金が無期社員の60%程度なので、せめて欧米並みの80%程度に近づけたいという狙いもあります。

正社員と非正規社員の間の格差に合理性があるかどうかは、「正社員」「契約社員」といった名称に捉われず、実態で判断されます。少し前に「名ばかり店長」というワードが話題になりましたが、それに似ています。名目だけ整えておけば良いものではありません。

つまり、現在の正規社員と非正規社員の境界が名称以外で説明できないと、従業員から訴訟を受けるリスクが膨らむということです。

判例では、ある手当は差異があっても良いが、この手当に差異があるのは不合理といったように手当毎に判断されています。最高裁の判断待ちの事例もまだ残っていますので、ガイドラインがより明確になり、判例が積み重なってくると、会社が対応しなければならないことも明確になってくるでしょう。

同一労働同一賃金だから、すぐに非正規社員の給与を今の正規社員と同じ額に引き上げる、とはコストの観点から簡単にはいかないと思います。だとすると、正規と非正規の役割や職責を明確にする方向に行くのは経営判断としては自然な流れです。

それであれば、特に社内に非正規社員を抱えている経営者の方は、今からでも非正規社員の条件や職責を明確にして、正社員との違いに答えられるようにしましょう。明確にしたら、それを社員に周知することも大事です。就業規則や雇用契約書をきちんと今から見直しておくことをお勧めします。

#働き方改革 #同一労働同一賃金

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