未払い残業代請求ブームが来る?

一歩踏み込む社労士の村田です。

ヤマト運輸が未払いの残業代を過去2年分さかのぼって支給する、という報道がありました。同社のある事業所が適切に労務管理を行っていなかったとして、労働基準監督署から労基法違反で是正勧告を受けたので、事業者所体を調査したところ、サービス残業が常態化していた事実があったとのことです。

しかし実態としては、「サービス残業については何となくわかっていたけど、問題の優先順位が低くて、問題がほっとかれていた」ということなのでしょう。

ところで、労働基準監督署が調査に入ったということは、それを告発した人がいると推測されます。実は、個別労働紛争の相談件数は平成18年に18万件だったのに対して、平成27年には24万件とアップしています。これだけ増えた理由は、ブラック企業という言葉が定着して、人々の労働環境に対する意識が高まったことが挙げられますが、もう一つ考えられるものがあります。

簡単に言うと「未払い残業代請求」が次の市場になっている、ということです。

「残業代 未払い請求」で検索すると、50万件以上ヒットします。上位に検索されるのは士業のHPです。人々のブラック企業問題への関心が高まっているように、たくさんのプロの士業家が、この問題を「ビジネスチャンス」として捉えているということです。

消費者金融の過払い金請求がひと段落したというタイミングであることも、未払い残業代請求というビジネスを後押ししています。

起きている問題を「市場」「ビジネスチャンス」と言ってしまうのは気持ちの良いものではありませんが、お金が絡んでいるだけに、今後しばらくはこの流れは止まらないでしょう。

テレビCMで「残業代が正しく払われていなければ〇〇へ」なんて流れる日も遠くありません。

経営者の方から見ると、知らないところで誰かが従業員に「入れ知恵」しているのです。

言葉が良くないのは承知しているのですが、一番実態を表している言葉ということでご理解ください。

経営者の方が未払い残業代請求という市場に巻き込まれる前にできることは、やはり賃金規程の整備です。何が給与に含まれていて、何が含まれていないのか。残業代はどのように計算されているのか。今のうちに透明度を高めて、何を言われても理屈で返せるようにしておきましょう。それでも自分たちの賃金規程に不安であれば、一度専門家にご相談してみください。

未払い残業代が問題になったとき、相手になるのは訴えた従業員ではありません。その背後に隠れているプロです。この問題の時効は2年なので、一度問題が発覚したら2年分は絶対に請求されます。今のうちに規程の透明度を高めて、こんな気持ち良くない「市場」には巻き込まれないようにしたいです。

#労働基準法違反 #長時間労働 #残業

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