「ホモじゃない?」がセクハラになる理由

一歩踏み込む社労士の村田です。

突然ですが、皆さんの職場で、セクハラの現場を目の当たりにすることはありますでしょうか。 「セクシャルハラスメント」という言葉を調べてみたところ、1989年に流行語大賞を取っていますので、 この言葉が市民権を得てから30年弱経っていることになります。

おそらく、セクハラと聞いて思い浮かべるような、男性上司が女性部下のお尻を触りながら「でへへへへ」 と下卑るような場面は、今ではほとんど見られないと思います(そう信じたい)。そんなことすれば一発で会社から、いやひょっとしたら社会から退場させられる危険性があるからです。

ところが、皆さんが普段何気なく発している冗談や言動が、セクハラとして訴えられるかもしれない時代がくるかもしれません。

例えば、なかなか結婚しない男性に、当人がいるいない関係なく「ホモなんじゃないの?」と笑うこと。

先日、ご自分がゲイであることを公表している弁護士の南和行先生の講演「LGBTの法律実務」を拝聴しました。 南先生についてはこちらの記事が詳しいです。 南先生はご自分のパートナーと一緒に弁護士事務所を開設されております。

ちなみにLGBTとは、L(レズビアン)G(ゲイ)B(バイセクシャル)T(トランスジェンダー)の頭文字です。LGBTとさらっと書くと一緒くたですが、LGBは性的指向のマイノリティ、Tは自覚する性と現実の不一致なので、本当は大きく分かれます。

南先生ご自身は関西のイントネーションでとぼけたオチをかませながら話をしていくスタイルで、見た目ではゲイであることはまずわかりません。ご本人いわく「LGBTは感覚的に5%くらい」くらいとおっしゃっています。電通の調査でも7%くらいという結果も出ていますので、この社会には、相当数の「カミングアウトできていない人たち」がいると思われます。

ちなみに、日本の人口で5%というと、だいたい千葉県の人口と同じくらいと言えば、その数の多さを実感できるのではないでしょうか。

つまり、「ホモ」であることを笑う職場環境には、自身が同性愛者であることを隠している人を知らずに傷つけている(それが「ホモ」と言われた人かどうかは関係ありません。日本語の「ホモ」は差別要素を含んでいることを否定できません)可能性があるということです。

人知れない差別に対する苦悩を放置しておくと、現在裁判で係争中の「一橋大アウティング事件」のように、罪の意識の無いアウティング(同性愛者であることをバラす)により自殺にまで発展するかもしれません。

ダイバーシティと言われて久しいですが、この言葉で意識される対象として、まず外国人が思い出されます。しかし、外国人であることはたいていのケースで周りに公表されているので、ある意味対処もしやすいでしょう。しかし、LGBTのように隠さざるを得ないケースも想定して受け入れてこそ、本当に意味のダイバーシティではないでしょうか。

LGBTの存在を受容するには社会のさらなる成熟を待たなくてはいけないかもしれません。 まずは一人ひとりが想像力を働かせて、ご自身が、あるいは社内環境が、このような方を無意識に傷つけていないか、自問していただくことがその「成熟」への第一歩だと思っています。

「でへへへへ」おじさんが居なくなった(と信じたい!)ように、無意識でもLGBTに配慮できるフラットな社会になることを願っています。社労士として、その一助を担えれば幸いです。

#職場環境 #LGBT #セクハラ

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